髙村薫【黄金を抱いて翔べ】うろ覚え感想文

黄金を抱いて翔べ感想
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人生をすぐ逃げようとするつみきふみです。

逃げ道といえば、本。本が好きなのか本しか逃げ場がないのか、とにかく本が好きです。

今回は大好きな髙村薫作品のぼんやり感想です。

好きな作品はこちら↓

作品
  • 黄金を抱いて翔べ
  • 神の火
  • マークスの山
  • 李歐
  • リヴィエラを撃て
  • レディ・ジョーカー
  • 照柿

今回は「黄金を抱いて翔べ」です。

もう何年も手にとっていないので名前もストーリーも絶賛うろ覚えで「その記憶で何を書くねん?」という感じですけど、そのぼんやりとでも残っている大事な思い出を書いておきます。

感想を書く以上ある程度はネタバレも含みますので未読の方はご注意ください。ネタバレするほど書いていないことが判明しました、ご安心ください(汗)

黄金を抱いて翔べとの出会い

主人公・幸田が、仲間とともに銀行の地下にある金塊を奪う話。

映画にもなりましたね。私は「幸田が違うー!!」となって観ませんでした。幸田はもっと髪が長いねん(たわ言)

私が初めて髙村薫作品に触れたのがこの作品です。なんで手に取ったんだろう…?中学生くらいだったと思います。

ハード・ボイルド系にハマっていた時期だったのか、手当り次第読んでいた時期だったのか。

それはそれは夢中になりました。

登場人物が魅力的

人物がみんなに違う魅力があってかっこいい。

リーダー(早速名前を忘れている)の飄々とした感じとか、チャラい人とか、「おっちゃん」とか。出てくる人全員内面に何かしらを抱えていて、でも淡々と計画は進められていく対比。

これを女性が書いているって信じられなかったけれど、むしろ女性だからこそ書けたのかもしれません。徹底的に突き放した描写がえぐいくらい(特に神の火とリヴィエラ…)

そして個性的な人物(キャラと書くのが似合わない感じ)たちの関わり合い・やり取りがいいですね(いいですねしか言えない語彙力すみません)(でもいいんです)

仲良さそうだったり、真剣だったり、離れてたり。これぞハード・ボイルド。

幸田とモモの関係に限らず髙村作品はちょいちょいBL(…風?)ですけど、この2人の関係も繊細な感じがいいですね(またいいですね!)

未だに忘れられない理由

この作品が私にずっと刺さっている理由は主人公・幸田の夢である「人間のいない土地」です。

いわゆる毒系の親でしたので、ずっと一人になりたかったし、就職は社宅(寮)のあるところを選びました。ずーっと、ずーっと。幸田の「人間のいない土地」が私の支えだった気がします。

外でぽつんと一人になれた時にいつも思い出していました。

―人間のいない土地!

「黄金を抱いて翔べ」より

ただいつも違和感がありました。

人間、いるなあ…。

いるんですよね。結婚して周りから「◯◯(地名)?人住んでるの!?」と驚かれるようなところにも転勤で住みましたが、どんなに田舎でもやっぱり人はいるんです。村に1人で、なんてところもありますし。

次第に違和感がストレスになっていました。

いない土地はないが、いない時間はある

21年頃か、いえ今年でしょうか。誰もいない延々と続くたんぼ道を1人で歩いていたときにふと思いました。

「人間のいない土地はないけれど、人間のいない時間はある。それで十分じゃないか?」と。

人間は1人では生きられないし、1人で生きてるつもりで実は全然生きてないし。偉そうに「誰もいなくなれー」なんて思ったところでじゃあ自分の存在はどうするんだ?って話ですし。

私の憧れは「人間のいない時間」でいいのだ、それならしょっちゅうある。

なんだか憑き物が落ちた気がしました。

誰も彼もを拒絶しようとしてた、ささくれた自分が少し落ち着いた気がします。

これが私の読書感想文

不妊治療・出産を経て荷物を減らしたタイミングで本も手放して、読み返すことはなくなりました。それでも私の中では思い出す時ごとに新しい発見があります。

↑新潮社の表紙がたまりません。

なんにもネタバレするほど感想書いてない…!いやいやいっぱいあるんですよ、公園のおっちゃんとか、神父とか、爆発のシーンとか、ラストとか。

でも私の書きたかった感想は以上です!ご静聴ありがとうございました!!

 

出産後は読む時間が減ったことよりも気力が減りましたね。趣味や楽しみが砂を噛むようになってしまって、取り戻すのに時間がかかりました。育児に全力してはダメ、絶対。

電子書籍が最高にありがたいです。

よい読書を!つみきでした。

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